スーラ・フッスィラト(Fussilat) سُورَة فصلت

スーラ・フッスィラトは、クルアーンの第41章であり、マッカで啓示されました。これは54の節で構成され、クルアーンの神聖な啓示とその明確なメッセージを強調し、信仰者と不信者の異なる結末について語られています。

翻訳: スーラ フッスィラト (明確章) سُورَة فصلت

بِسْمِ اللَّهِ الرَّحْمَٰنِ الرَّحِيمِ

i

慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。

حم ١ i

ハー・ミーム。 (一)

تَنْزِيلٌ مِنَ الرَّحْمَٰنِ الرَّحِيمِ ٢ i

(これは)慈悲あまねく慈愛ぶかき御方からの啓示である。 (二)

كِتَابٌ فُصِّلَتْ آيَاتُهُ قُرْآنًا عَرَبِيًّا لِقَوْمٍ يَعْلَمُونَ ٣ i

印が詳細に解明された啓典,理解ある民へのアラビア語のクルアーンで, (三)

بَشِيرًا وَنَذِيرًا فَأَعْرَضَ أَكْثَرُهُمْ فَهُمْ لَا يَسْمَعُونَ ٤ i

吉報と警告(を伝えるもの)である。だがかれらの多くは,背き去って聞こうとはしない。 (四)

وَقَالُوا قُلُوبُنَا فِي أَكِنَّةٍ مِمَّا تَدْعُونَا إِلَيْهِ وَفِي آذَانِنَا وَقْرٌ وَمِنْ بَيْنِنَا وَبَيْنِكَ حِجَابٌ فَاعْمَلْ إِنَّنَا عَامِلُونَ ٥ i

そしてかれらは言う。「わたしたちの心には,あなたが招くことに覆いがかけられている。またわたしたちの耳は遠く,しかもわたしたちとあなたの間には,幕がかかっている。それであなたは自分の(望・の)ことを行え。わたしたちも自分の(望・の)ことを行う。」 (五)

قُلْ إِنَّمَا أَنَا بَشَرٌ مِثْلُكُمْ يُوحَىٰ إِلَيَّ أَنَّمَا إِلَٰهُكُمْ إِلَٰهٌ وَاحِدٌ فَاسْتَقِيمُوا إِلَيْهِ وَاسْتَغْفِرُوهُ ۗ وَوَيْلٌ لِلْمُشْرِكِينَ ٦ i

言ってやるがいい。「わたしは,あなたがたと同じ人間に過ぎない。唯,あなたがたの神は,唯一の神であることがわたしに啓示された。それでかれに向かって真直ぐに傾倒し,かれの御赦しを祈りなさい。多神教徒こそ災いであり, (六)

الَّذِينَ لَا يُؤْتُونَ الزَّكَاةَ وَهُمْ بِالْآخِرَةِ هُمْ كَافِرُونَ ٧ i

そのような者が喜捨を行わず来世を否定する者である。 (七)

إِنَّ الَّذِينَ آمَنُوا وَعَمِلُوا الصَّالِحَاتِ لَهُمْ أَجْرٌ غَيْرُ مَمْنُونٍ ٨ i

本当に信仰して善行に動しむ者には,尽きることのない報奨がある。」 (八)

قُلْ أَئِنَّكُمْ لَتَكْفُرُونَ بِالَّذِي خَلَقَ الْأَرْضَ فِي يَوْمَيْنِ وَتَجْعَلُونَ لَهُ أَنْدَادًا ۚ ذَٰلِكَ رَبُّ الْعَالَمِينَ ٩ i

言ってやるがいい。「あなたがたは,2日間で大地を創られたかれを,どうして信じないのか。しかもかれに同位者を立てるのか。かれこそは,万有の主であられる。 (九)

وَجَعَلَ فِيهَا رَوَاسِيَ مِنْ فَوْقِهَا وَبَارَكَ فِيهَا وَقَدَّرَ فِيهَا أَقْوَاتَهَا فِي أَرْبَعَةِ أَيَّامٍ سَوَاءً لِلسَّائِلِينَ ١٠ i

かれは,そこに(山々を)どっしりと置いて大地を祝福なされ,更に4日間で,その中の凡ての(御恵・を)求めるもの(の必要)に応じて,御恵・を規定なされた。 (十)

ثُمَّ اسْتَوَىٰ إِلَى السَّمَاءِ وَهِيَ دُخَانٌ فَقَالَ لَهَا وَلِلْأَرْضِ ائْتِيَا طَوْعًا أَوْ كَرْهًا قَالَتَا أَتَيْنَا طَائِعِينَ ١١ i

それからまだ煙(のよう)であった天に転じられた。そして天と地に向かって,『両者は,好むと好まざるとに関わらず,われに来たれ。」と仰せられた。天地は(答えて),『わたしたちは喜こんで参上します。』と申し上げた。 (十一)

فَقَضَاهُنَّ سَبْعَ سَمَاوَاتٍ فِي يَوْمَيْنِ وَأَوْحَىٰ فِي كُلِّ سَمَاءٍ أَمْرَهَا ۚ وَزَيَّنَّا السَّمَاءَ الدُّنْيَا بِمَصَابِيحَ وَحِفْظًا ۚ ذَٰلِكَ تَقْدِيرُ الْعَزِيزِ الْعَلِيمِ ١٢ i

そこでかれは,2日の間に7層の天を完成なされた。そしてそれぞれの天に命令を下し,(大地に)近い天を,われは照明で飾り,守護した。これは,偉力ならびなく全知なる御方の摂理である。」 (十二)

فَإِنْ أَعْرَضُوا فَقُلْ أَنْذَرْتُكُمْ صَاعِقَةً مِثْلَ صَاعِقَةِ عَادٍ وَثَمُودَ ١٣ i

それでもかれらが,背き去るならば言ってやるがいい。「あなたがたに,アードとサムードの(被った)落雷のような災難を警告する。」 (十三)

إِذْ جَاءَتْهُمُ الرُّسُلُ مِنْ بَيْنِ أَيْدِيهِمْ وَمِنْ خَلْفِهِمْ أَلَّا تَعْبُدُوا إِلَّا اللَّهَ ۖ قَالُوا لَوْ شَاءَ رَبُّنَا لَأَنْزَلَ مَلَائِكَةً فَإِنَّا بِمَا أُرْسِلْتُمْ بِهِ كَافِرُونَ ١٤ i

使徒たちが,かれらの前からまた後ろからかれらのところにやって来て,「アッラーの外何ものにも仕えてはならない。」と告げた時のことを思い起こせ。かれらは言った。「わたしたちの主の御望・ならば,必ず天使を御遺わしになるはずである。だからあなたがたが持って来たもの(啓示)をわたしたちが信じるわけがない。」 (十四)

فَأَمَّا عَادٌ فَاسْتَكْبَرُوا فِي الْأَرْضِ بِغَيْرِ الْحَقِّ وَقَالُوا مَنْ أَشَدُّ مِنَّا قُوَّةً ۖ أَوَلَمْ يَرَوْا أَنَّ اللَّهَ الَّذِي خَلَقَهُمْ هُوَ أَشَدُّ مِنْهُمْ قُوَّةً ۖ وَكَانُوا بِآيَاتِنَا يَجْحَدُونَ ١٥ i

アード(の民)に就いては,正当な拠り処もないのに地上で高慢になり,「誰が,わたしたちよりも力が強いのでしょうか。」などと言った。かれらを創られたアッラーこそ,力が強いということを考えないのか。しかもわれの印を拒否するとは。 (十五)

فَأَرْسَلْنَا عَلَيْهِمْ رِيحًا صَرْصَرًا فِي أَيَّامٍ نَحِسَاتٍ لِنُذِيقَهُمْ عَذَابَ الْخِزْيِ فِي الْحَيَاةِ الدُّنْيَا ۖ وَلَعَذَابُ الْآخِرَةِ أَخْزَىٰ ۖ وَهُمْ لَا يُنْصَرُونَ ١٦ i

だからわれは,災厄の数日間に亘り,暴風雨をかれらに送って,現世において屈辱の懲罰を味わせた。だが来世の懲罰は更に屈辱を与え,誰にもかれらは助けられない。 (十六)

وَأَمَّا ثَمُودُ فَهَدَيْنَاهُمْ فَاسْتَحَبُّوا الْعَمَىٰ عَلَى الْهُدَىٰ فَأَخَذَتْهُمْ صَاعِقَةُ الْعَذَابِ الْهُونِ بِمَا كَانُوا يَكْسِبُونَ ١٧ i

またわれはサムード(の民)を,導いた。だがかれらは導きよりも,盲目の方を良いとした。それで,かれらが稼いでいた(行いの)ために,不面目な懲罰の落雷がかれらを襲った。 (十七)

وَنَجَّيْنَا الَّذِينَ آمَنُوا وَكَانُوا يَتَّقُونَ ١٨ i

だが,われは信仰し主を畏れる者は救った。 (十八)

وَيَوْمَ يُحْشَرُ أَعْدَاءُ اللَّهِ إِلَى النَّارِ فَهُمْ يُوزَعُونَ ١٩ i

その日,アッラーの敵は集められ,火獄への列に連らなる。 (十九)

حَتَّىٰ إِذَا مَا جَاءُوهَا شَهِدَ عَلَيْهِمْ سَمْعُهُمْ وَأَبْصَارُهُمْ وَجُلُودُهُمْ بِمَا كَانُوا يَعْمَلُونَ ٢٠ i

かれらが(審判の席)に来ると,その耳や目や皮膚は,かれらの行ってきたことを,かれらの意に背いて証言する。 (二十)

وَقَالُوا لِجُلُودِهِمْ لِمَ شَهِدْتُمْ عَلَيْنَا ۖ قَالُوا أَنْطَقَنَا اللَّهُ الَّذِي أَنْطَقَ كُلَّ شَيْءٍ وَهُوَ خَلَقَكُمْ أَوَّلَ مَرَّةٍ وَإِلَيْهِ تُرْجَعُونَ ٢١ i

するとかれらは,(自分の)皮膚に向かって言う。「あなたがたは何故わたしたちに背いて,証言をするのですか。」それらは(答えて)「凡てのものに語らせられるようにされたアッラーが,わたしたちに語らせられます。かれは最初にあなたがたを創り,そしてかれの御許に帰らせられます。」と言う。 (二十一)

وَمَا كُنْتُمْ تَسْتَتِرُونَ أَنْ يَشْهَدَ عَلَيْكُمْ سَمْعُكُمْ وَلَا أَبْصَارُكُمْ وَلَا جُلُودُكُمْ وَلَٰكِنْ ظَنَنْتُمْ أَنَّ اللَّهَ لَا يَعْلَمُ كَثِيرًا مِمَّا تَعْمَلُونَ ٢٢ i

また,「あなたがたは,自分の耳や目や皮膚が,あなたがたに背くような証言など出来ない(と思い)。自分を祢うこともしなかった。寧あなたがたは自分の行っていたことなど,アッラーが沢山知っておられる訳がないと,考えていた。 (二十二)

وَذَٰلِكُمْ ظَنُّكُمُ الَّذِي ظَنَنْتُمْ بِرَبِّكُمْ أَرْدَاكُمْ فَأَصْبَحْتُمْ مِنَ الْخَاسِرِينَ ٢٣ i

だが,あなたがたの主に就いて考えたこのことが,あなたがたを破滅に落し入れ,失敗の原因となった。」 (二十三)

فَإِنْ يَصْبِرُوا فَالنَّارُ مَثْوًى لَهُمْ ۖ وَإِنْ يَسْتَعْتِبُوا فَمَا هُمْ مِنَ الْمُعْتَبِينَ ٢٤ i

それでかれらが例え耐え忍んでも,業火はかれらの住まいであり,例え御情けを願っても,慈悲にあずかれない。 (二十四)

وَقَيَّضْنَا لَهُمْ قُرَنَاءَ فَزَيَّنُوا لَهُمْ مَا بَيْنَ أَيْدِيهِمْ وَمَا خَلْفَهُمْ وَحَقَّ عَلَيْهِمُ الْقَوْلُ فِي أُمَمٍ قَدْ خَلَتْ مِنْ قَبْلِهِمْ مِنَ الْجِنِّ وَالْإِنْسِ ۖ إِنَّهُمْ كَانُوا خَاسِرِينَ ٢٥ i

われは,かれらに(は立派に見える)仲間(の悪魔)を宛てがって置いた。それでかれら以前のことも,以後のことも,かれらに取っては立派に思われた。そしてかれら以前に過ぎ去ったジンと人間の,諸世代に下された言葉通りのことが,かれらに実証された。かれらは完全な敗北者となった。 (二十五)

وَقَالَ الَّذِينَ كَفَرُوا لَا تَسْمَعُوا لِهَٰذَا الْقُرْآنِ وَالْغَوْا فِيهِ لَعَلَّكُمْ تَغْلِبُونَ ٢٦ i

信じない者は言う。「クルアーンに耳を傾けてはなりません。そしてその(読誦)中にしゃべりまくりなさい。そうすればあなたがたは圧倒出来ます。」 (二十六)

فَلَنُذِيقَنَّ الَّذِينَ كَفَرُوا عَذَابًا شَدِيدًا وَلَنَجْزِيَنَّهُمْ أَسْوَأَ الَّذِي كَانُوا يَعْمَلُونَ ٢٧ i

そこでわれは,不信心な者に強い懲罰を味わせ,かれらの最も醜悪な行いに応報する。 (二十七)

ذَٰلِكَ جَزَاءُ أَعْدَاءِ اللَّهِ النَّارُ ۖ لَهُمْ فِيهَا دَارُ الْخُلْدِ ۖ جَزَاءً بِمَا كَانُوا بِآيَاتِنَا يَجْحَدُونَ ٢٨ i

それはアッラーの敵への報酬,業火である。その中が,かれらのための永遠の住まいである。わが印を拒否していたことに対する報酬である。 (二十八)

وَقَالَ الَّذِينَ كَفَرُوا رَبَّنَا أَرِنَا اللَّذَيْنِ أَضَلَّانَا مِنَ الْجِنِّ وَالْإِنْسِ نَجْعَلْهُمَا تَحْتَ أَقْدَامِنَا لِيَكُونَا مِنَ الْأَسْفَلِينَ ٢٩ i

すると不信心の者は,「主よ,ジンと人間の中でわたしたちを迷わせた者に,会わせて下さい。足の下に踏・つけて,最も卑しい者にしてやります。」と言う。 (二十九)

إِنَّ الَّذِينَ قَالُوا رَبُّنَا اللَّهُ ثُمَّ اسْتَقَامُوا تَتَنَزَّلُ عَلَيْهِمُ الْمَلَائِكَةُ أَلَّا تَخَافُوا وَلَا تَحْزَنُوا وَأَبْشِرُوا بِالْجَنَّةِ الَّتِي كُنْتُمْ تُوعَدُونَ ٣٠ i

本当に,「わたしたちの主は,アッラーであられる。」と言って,その後正しくしっかりと立つ者,かれらには,(次から次に)天使が下り,「恐れてはならない。また憂いてはならない。あなたがたに約束されている楽園への吉報を受け取りなさい。(と言うのである)。 (三十)

نَحْنُ أَوْلِيَاؤُكُمْ فِي الْحَيَاةِ الدُّنْيَا وَفِي الْآخِرَةِ ۖ وَلَكُمْ فِيهَا مَا تَشْتَهِي أَنْفُسُكُمْ وَلَكُمْ فِيهَا مَا تَدَّعُونَ ٣١ i

われは現世の生活においても,また来世においても,あなたがたの友である。そこではあなたがたの魂は望むものを得,そこではあなたがたの求めるものが得られる。 (三十一)

نُزُلًا مِنْ غَفُورٍ رَحِيمٍ ٣٢ i

寛容にして慈悲深い御方からの歓待である。」 (三十二)

وَمَنْ أَحْسَنُ قَوْلًا مِمَّنْ دَعَا إِلَى اللَّهِ وَعَمِلَ صَالِحًا وَقَالَ إِنَّنِي مِنَ الْمُسْلِمِينَ ٣٣ i

人びとをアッラーの許に呼び,善行をなし,「本当にわたしは,ムスリムです。」と言う者程美しい言葉を語る者があろうか。 (三十三)

وَلَا تَسْتَوِي الْحَسَنَةُ وَلَا السَّيِّئَةُ ۚ ادْفَعْ بِالَّتِي هِيَ أَحْسَنُ فَإِذَا الَّذِي بَيْنَكَ وَبَيْنَهُ عَدَاوَةٌ كَأَنَّهُ وَلِيٌّ حَمِيمٌ ٣٤ i

善と悪とは同じではない。(人が悪をしかけても)一層善行で悪を追い払え。そうすれば,栗いの間に敵意ある者でも,親しい友のようになる。 (三十四)

وَمَا يُلَقَّاهَا إِلَّا الَّذِينَ صَبَرُوا وَمَا يُلَقَّاهَا إِلَّا ذُو حَظٍّ عَظِيمٍ ٣٥ i

だがよく耐え忍ぶ者たちの外には,それは成し遂げられないであろう。格別幸運な者たちの外には,それを成し遂げられないのである。 (三十五)

وَإِمَّا يَنْزَغَنَّكَ مِنَ الشَّيْطَانِ نَزْغٌ فَاسْتَعِذْ بِاللَّهِ ۖ إِنَّهُ هُوَ السَّمِيعُ الْعَلِيمُ ٣٦ i

それからもし,悪魔の扇動が,あなたを唆かしたならば(どんな場合でも)アッラーの御加護を祈れ。本当にかれは全聴にして全知であられる。 (三十六)

وَمِنْ آيَاتِهِ اللَّيْلُ وَالنَّهَارُ وَالشَّمْسُ وَالْقَمَرُ ۚ لَا تَسْجُدُوا لِلشَّمْسِ وَلَا لِلْقَمَرِ وَاسْجُدُوا لِلَّهِ الَّذِي خَلَقَهُنَّ إِنْ كُنْتُمْ إِيَّاهُ تَعْبُدُونَ ٣٧ i

夜と昼,また太陽と月は,かれの印の中である。それで太陽にも月にもサジダするようなことをしてはならない。それら(両方)を創られた,アッラーにサジダしなさい。あなたがたが仕えるのなら,かれにこそ仕えなさい。 (三十七)

فَإِنِ اسْتَكْبَرُوا فَالَّذِينَ عِنْدَ رَبِّكَ يُسَبِّحُونَ لَهُ بِاللَّيْلِ وَالنَّهَارِ وَهُمْ لَا يَسْأَمُونَ ۩ ٣٨ i

もしもかれら(不信心者)が高慢で(主に仕えることを侮って)も,主の御許にいる者たちは,夜も昼もかれを讃え,弛むことをしらない。〔サジダ〕 (三十八)

وَمِنْ آيَاتِهِ أَنَّكَ تَرَى الْأَرْضَ خَاشِعَةً فَإِذَا أَنْزَلْنَا عَلَيْهَا الْمَاءَ اهْتَزَّتْ وَرَبَتْ ۚ إِنَّ الَّذِي أَحْيَاهَا لَمُحْيِي الْمَوْتَىٰ ۚ إِنَّهُ عَلَىٰ كُلِّ شَيْءٍ قَدِيرٌ ٣٩ i

かれの印の一つを,あなたは荒れ果てた大地に見る。われがその上に雨を降らせると,動きだし,盛り上がる。本当にそれに生命を与えられた方は,まさに死者を甦らせられる方である。かれは,凡ゆることに全能である。 (三十九)

إِنَّ الَّذِينَ يُلْحِدُونَ فِي آيَاتِنَا لَا يَخْفَوْنَ عَلَيْنَا ۗ أَفَمَنْ يُلْقَىٰ فِي النَّارِ خَيْرٌ أَمْ مَنْ يَأْتِي آمِنًا يَوْمَ الْقِيَامَةِ ۚ اعْمَلُوا مَا شِئْتُمْ ۖ إِنَّهُ بِمَا تَعْمَلُونَ بَصِيرٌ ٤٠ i

わが印の曲解者は,われから隠れられない。火獄に投げ込まれる者となるのがよいのか,それとも審判の日に安心して来られる者となるのがよいのか。あなたがたが好む通りに行いなさい。本当にかれは,あなたがたの行うことを見守られる。 (四十)

إِنَّ الَّذِينَ كَفَرُوا بِالذِّكْرِ لَمَّا جَاءَهُمْ ۖ وَإِنَّهُ لَكِتَابٌ عَزِيزٌ ٤١ i

訓戒(クルアーン)がかれらのもとに来た時,それを拒否した者は(われから隠れられない)。本当にそれは偉大な啓典であり, (四十一)

لَا يَأْتِيهِ الْبَاطِلُ مِنْ بَيْنِ يَدَيْهِ وَلَا مِنْ خَلْفِهِ ۖ تَنْزِيلٌ مِنْ حَكِيمٍ حَمِيدٍ ٤٢ i

虚偽は,前からも後ろからも,近付ことは出来ない。これは,英明で讃美すべき方からの啓示である。 (四十二)

مَا يُقَالُ لَكَ إِلَّا مَا قَدْ قِيلَ لِلرُّسُلِ مِنْ قَبْلِكَ ۚ إِنَّ رَبَّكَ لَذُو مَغْفِرَةٍ وَذُو عِقَابٍ أَلِيمٍ ٤٣ i

あなたが不信者に言われていることは,あなた以前の使徒たちが言われたことと同じである。本当にあなたの主は,寛容の主であり,また厳罰の主であられる。 (四十三)

وَلَوْ جَعَلْنَاهُ قُرْآنًا أَعْجَمِيًّا لَقَالُوا لَوْلَا فُصِّلَتْ آيَاتُهُ ۖ أَأَعْجَمِيٌّ وَعَرَبِيٌّ ۗ قُلْ هُوَ لِلَّذِينَ آمَنُوا هُدًى وَشِفَاءٌ ۖ وَالَّذِينَ لَا يُؤْمِنُونَ فِي آذَانِهِمْ وَقْرٌ وَهُوَ عَلَيْهِمْ عَمًى ۚ أُولَٰئِكَ يُنَادَوْنَ مِنْ مَكَانٍ بَعِيدٍ ٤٤ i

われがクルアーンを外国語で下したならば,かれらはきっと,「この印は,どうしてはっきり述べられないのでしょう。何と,アラビア人(の使徒)に外国語(の啓示)なのですか。」と言う。言ってやるがいい。「それは信仰する者にとっては導きであり,治療である。だが信じない者は,その耳が的くなり,またそれが(分らず)盲目である。かれらは,遠い所から呼びかけられる(ようなも)のである。」 (四十四)

وَلَقَدْ آتَيْنَا مُوسَى الْكِتَابَ فَاخْتُلِفَ فِيهِ ۗ وَلَوْلَا كَلِمَةٌ سَبَقَتْ مِنْ رَبِّكَ لَقُضِيَ بَيْنَهُمْ ۚ وَإِنَّهُمْ لَفِي شَكٍّ مِنْهُ مُرِيبٍ ٤٥ i

われは確かにムーサーに啓典を授けたのだが,それに就いて異論が起こった。もし主から(審判の時に就いて)前もって,御言葉が下っていなかったならば,その時かれらの間は解決されていたであろう。だがかれらはまだ疑いを抱き半信半疑でいる。 (四十五)

مَنْ عَمِلَ صَالِحًا فَلِنَفْسِهِ ۖ وَمَنْ أَسَاءَ فَعَلَيْهَا ۗ وَمَا رَبُّكَ بِظَلَّامٍ لِلْعَبِيدِ ٤٦ i

善行をなす者は自分を益し,悪行をなす者は自分を損なう。あなたがたの主は,そのしもべを不正に取り扱われない。 (四十六)

إِلَيْهِ يُرَدُّ عِلْمُ السَّاعَةِ ۚ وَمَا تَخْرُجُ مِنْ ثَمَرَاتٍ مِنْ أَكْمَامِهَا وَمَا تَحْمِلُ مِنْ أُنْثَىٰ وَلَا تَضَعُ إِلَّا بِعِلْمِهِ ۚ وَيَوْمَ يُنَادِيهِمْ أَيْنَ شُرَكَائِي قَالُوا آذَنَّاكَ مَا مِنَّا مِنْ شَهِيدٍ ٤٧ i

(審判の)時に関する知識は,かれだけが知るところ。かれが知らずに,一つの果実も,その外皮から出てくるものではない。また女や雌が子を宿すことも分娩することもない。その日,かれらに尋ねられる。「われの同僚とやら(の偶像たち)は,何処にいるのか。」かれらは申し上げよう。「あなたに御伝えします。わたしたちの中には一人の証人もおりません。」 (四十七)

وَضَلَّ عَنْهُمْ مَا كَانُوا يَدْعُونَ مِنْ قَبْلُ ۖ وَظَنُّوا مَا لَهُمْ مِنْ مَحِيصٍ ٤٨ i

かれらが先に拝していたものたちは,かれらを捨てて隠れてしまい,そこでかれらは,逃げ場もないことが分る。 (四十八)

لَا يَسْأَمُ الْإِنْسَانُ مِنْ دُعَاءِ الْخَيْرِ وَإِنْ مَسَّهُ الشَّرُّ فَيَئُوسٌ قَنُوطٌ ٤٩ i

人間は幸福を祈って,疲れることをしらない。だが不幸に見舞われると,落胆し絶望してしまう。 (四十九)

وَلَئِنْ أَذَقْنَاهُ رَحْمَةً مِنَّا مِنْ بَعْدِ ضَرَّاءَ مَسَّتْهُ لَيَقُولَنَّ هَٰذَا لِي وَمَا أَظُنُّ السَّاعَةَ قَائِمَةً وَلَئِنْ رُجِعْتُ إِلَىٰ رَبِّي إِنَّ لِي عِنْدَهُ لَلْحُسْنَىٰ ۚ فَلَنُنَبِّئَنَّ الَّذِينَ كَفَرُوا بِمَا عَمِلُوا وَلَنُذِيقَنَّهُمْ مِنْ عَذَابٍ غَلِيظٍ ٥٠ i

災厄にあった後われの慈悲に浴させると,かれは必ず,「これはわたし(の力)には当然のことです。(審判の)時が,来るとは考えられません。また主に婦されても,わたしはかれの御許で,褒美をもらいます。」と言う。だがわれはこれら不信心の者に対し,その行ったことを示し,必ず手荒い懲罰を味わせる。 (五十)

وَإِذَا أَنْعَمْنَا عَلَى الْإِنْسَانِ أَعْرَضَ وَنَأَىٰ بِجَانِبِهِ وَإِذَا مَسَّهُ الشَّرُّ فَذُو دُعَاءٍ عَرِيضٍ ٥١ i

われが人間に恩恵を示せば,かれは脇を向いて,(われに近付かず反って)退き去る。だが一度災厄に会えば長々と十分に祈る。 (五十一)

قُلْ أَرَأَيْتُمْ إِنْ كَانَ مِنْ عِنْدِ اللَّهِ ثُمَّ كَفَرْتُمْ بِهِ مَنْ أَضَلُّ مِمَّنْ هُوَ فِي شِقَاقٍ بَعِيدٍ ٥٢ i

言ってやるがいい。「あなたがたは考えないのか。もしそれが,(本当に)アッラーから(下された)ものであっても,あなたがたは信じないのか。遠く離れ去って分裂する者ほど,酪く迷った者が(外に)あろうか。」 (五十二)

سَنُرِيهِمْ آيَاتِنَا فِي الْآفَاقِ وَفِي أَنْفُسِهِمْ حَتَّىٰ يَتَبَيَّنَ لَهُمْ أَنَّهُ الْحَقُّ ۗ أَوَلَمْ يَكْفِ بِرَبِّكَ أَنَّهُ عَلَىٰ كُلِّ شَيْءٍ شَهِيدٌ ٥٣ i

われは,わが印が真理であることが,かれらに明白になるまで,(遠い)空の彼方において,またかれら自身の中において(示す)。本当にあなたがたの主は,凡てのことの立証者であられる。そのことだけでも十分ではないか。 (五十三)

أَلَا إِنَّهُمْ فِي مِرْيَةٍ مِنْ لِقَاءِ رَبِّهِمْ ۗ أَلَا إِنَّهُ بِكُلِّ شَيْءٍ مُحِيطٌ ٥٤ i

ああ,かれらは主との会見に就いて疑っているのか。本当にかれこそは,凡てのものを取り囲む方であるのに。 (五十四)